農薬散布ドローンの自動航行実証試験
6/16(金)にホクレン長沼研究農場にて、ホクレンと(株)エンルートによる農薬散布ドローンの自動航行実証試験を行いました。現在、農薬散布ドローンの自動航行は農林水産省の指針により認めれられていないため、今回は(株)エンルートが特別な許可を得て実証試験を実施。会場には、JAながぬま青年部の方々を中心に20名以上が来場し、自動航行ドローンによる実証試験の様子に注目が集まりました。
自動航行は技術的には既に実用化レベル!
自動航行を行うには、まずタブレット端末のアプリにて飛行経路を設定します。ドローンにはGPSの受信機が搭載されているため、GPSによる位置情報と予め設定された飛行経路に基づいて飛行と散布が行われます。実証試験では、離陸と着陸の操作のみオペレーターが手動で行い、離陸後はオペレーターがコントローラーを操作しなくても設定した経路に沿って正確に旋回や散布が行われる様子が公開されました。農薬散布ドローンの自動航行は技術的には既に確立されており、海外では実用化が進んでいます。
生産現場の実態に見合った規制の見直しを!
Aながぬま青年部を対象に行ったドローンに関するアンケート結果では、「農薬散布ドローンの自動航行」に関する要望が最も多く見られました。自動航行による農薬散布は、技術的には既に確立されているため、今後関係法令の整備が早急に進むよう期待が高まっています。この他、現在の農林水産省の指針では「ドローンによる農薬散布を行う際は、機体とオペレーターの距離が水平距離で50mを超えないこと」と定められていますが、基盤整備が進む道内では1枚の水田が50m以内に収まる圃場は少なく、現状ではオペレーターが広範囲を移動したり、水田の中に入ってドローンとの距離を50mに保ちながら操縦しなければなりません。生産者の方からは、「田んぼに入ってドローンを追いかけるくらいなら、ドローンを使うメリットはない」との声が上がっており、生産現場の実態に見合った規制の見直しが求められています。
実証試験の様子は動画で!
実証試験には、(株)エンルートの農薬散布ドローン「ZionAC1500」が使用されました。会場では、自動航行以外にもZionAC1500の散布機の取替方法や豆つぶ剤の散布、薬剤タンクの取外し方法について実演されました。会場の様子は、下記のURLから動画でご覧いただけます。
https://youtu.be/HW5wbCU_nyA
自動航行で農薬散布を行う「ZionAC1500」
予めタブレット端末で飛行経路を設定
飛行経路設定に使用するタブレット端末
会場の様子