JAピンネ管内で水田水管理省力化システムの実証試験
ホクレンICT推進課と米穀生産課では今年5月、JAピンネ管内の生産者圃場にて労働力軽減を図ることを目的として、積水化学工業(株)の水田水管理省力化システムの実証試験を始めました。
給水バルブをスマートフォン等から遠隔・自動制御
積水化学工業(株)の水田水管理省力化システムは、水田の給水バルブにモーター制御の通信機器を取付け、スマートフォンやタブレット端末から給水バルブに遠隔で指示を出すことで、入水や止水を遠隔で制御することができる仕組みです。日時や水位を事前に設定することで、毎日決まった時間に入水することや、常に一定の水位を保つ等の自動制御も可能です。圃場には通信用のアンテナを設置し、アンテナから半径500m程度の範囲にある給水バルブを無線通信で制御することができます。今回の実証試験では、バルブ2か所に機器を設置しました。同社では、年内にもシステムの販売を開始する予定です。
顆粒除草剤散布への応用も期待
6/2(金)には、同圃場で日産化学工業(株)の水稲用一発処理除草剤「ゲットスター顆粒」を用いた水口処理の実証試験を行いました。薬剤をメッシュバッグに入れて給水口にセットするだけで、給水と同時に薬剤を圃場全体に拡散させることができ、除草剤散布作業の労力を大幅に軽減することができます。薬剤処理時には水深5~6cm以上を確保し、「+2cm以上入水」もしくは「15分以上入水(面積と水量による)」することを推奨しています。水口処理を水管理省力化システムと組み合わせて行うことで、決められた水位や時間に基づく入水と止水を自動化することができ、更なる省力化が期待されます。実証にご協力頂いた生産者の方は、これまではラジコンボートで除草剤散布を行っていましたが、「こんなに簡単に除草剤の散布ができるのであれば、ぜひ導入を検討したい。」と期待を寄せました。
実証試験の様子は動画で!
実証試験の様子については、下記のURLより動画でご覧頂くことができます。
水田管理省力化システムによる給水の様子
圃場に設置された通信用アンテナ
圃場に設置された機器
メッシュバッグに入れた薬剤を給水口にセット
給水によって薬剤が圃場全体に拡散